きさらぎ駅 前半

こんにちわ!みょんです!

今回は以前書いた通り、きさらぎ駅について書いていきたいと思います。

自分が一番好きな都市伝説で、かつ界隈で有名なのでいろんな説があってどれも面白い。

まー、行きたくはないですけどねー笑

てことで、概要。

2004年1月8日23時過ぎに「はすみ」という名前の方が掲示板に書き込みを始める。

電車に乗っていたはすみさんは普段より次の駅に着くまで時間がかかり過ぎていることや車内の人が全員寝ていること、トンネルを通らない路線のはずなのにトンネルを通ったことなど、不審な点を伝える。

怖くなり「きさらぎ駅」で降りたはすみさん。

再び乗った方が良いか、と書き込むもすぐに電車は出てしまい1人取り残されてしまう。

家族や警察に連絡するが、当然、きさらぎ駅が調べて出るわけもなく線路を徒歩で戻ることに決める。

トンネルを抜けたところでビジネスホテルまで送ってくれるという男性の車に乗る。

しかし車は市街地ではなく人気のない山奥へ向かっていく。

さらにその男性の様子が豹変していき、怖いので隙があれば逃げると書き込んだ後にバッテリーが上がり書き込みを終える。

詳しいものはサイトを載せておくのでリンクで飛んでください。

https://恐怖の泉.com/kaidan/2wa.html


現状、有力な説は

①なろう系説

臨死体験

神隠し説

異世界

などがあります。

ま、考察する分にはあんまり関係ないですけどね。

こういうのは面白ければいいんですよ。

どうせなろう系でしょ、とか言えば夢がないみたいに考えるのはもったいない!

なろう系であったとしても神話やクトゥルフなんかは最高に面白い!

...脱線しました。


きさらぎ駅です。


まず、最初の「電車の中の人は皆寝ている」という状況。

これは恐らく他の人は皆、彼岸の住人になる準備が整っているという描写なのではないかと思います。

ここはあまり材料がないのでそれぐらいしか予想できない気がしますね。

次にトンネルを抜けたという場面。

トンネルといえば、有名なフレーズに「トンネルを抜けると雪国であった。」というものがあります。

雪国は別に関係ないんですが、言いたいこととしてはトンネルって風景であったり空気を変えるのにちょうどいいんですよね。

劇で場面切り替えに幕を下ろしたり、ゲームで一度画面が暗くなるような感じで。

(ここから少しずつ神話の話も交えていきます。苦手な人は読み飛ばしてください。)

また、日本に伝わる最も有名な「黄泉帰り」の話としてイザナギイザナミの話があります。

イザナミの死を覆そうとイザナギが黄泉へ行くという話です。その道中が「細く暗い道」と記されているのですが、どうでしょう。

トンネルは細く長い道、と言えないでしょうか。

無人駅、きさらぎ駅に降りたはすみさん。

きさらぎ駅の前はかたす駅。次はやみ駅。

ここでかたすという地名は根之堅洲国(ネノカタスクニ)のことであり、やみは黄泉(よみ)のことだろうというのが大方の予想です。

またはやみはそのまま闇のことだろうというものもあります。

加えて、きさらぎと言ったら「如月」という漢字をつけそうですが、もう一つ。

「鬼」にも、きさらぎという読みがあります。

これは当時の掲示板上でも気付いた人がいるようです。

この後、線路を歩いて戻ることに決めるはすみさんですが、しばらくすると遠くから太鼓と鈴の音が聞こえると書き込みます。

これはもう全くわかりません。

あえて言うなら百鬼夜行か何かですかね。

妖怪行列のあれなんですが、根拠がきさらぎを鬼って書いたらどっちも鬼!ぐらいのものしかなくてわからないです。

ここの考察は他の方もお手上げっぽいです。

ただ、祀事をする際に鈴を鳴らし太鼓を叩くみたいな場面もあるにはあるらしいのでこれですかね。

あまりピンとこないですが。

では次。

怖いながらも歩き続けると不意に後ろから声を掛けられる。

「危ないから線路の上を歩いてはいけないよ」

思わず振り返ってしまうはすみさん。

そこには片足で立つ老人。

しかしすぐに「消えて」しまう。

ここで重要なのは振り返ってしまったこと。

異世界やあの世に行ってしまった人間がしてはいけないこと、というものがいくつかありまして。

その一つが振り返ってはいけない、見るなのタブーというものがあります。

世界中の神話や創作にも出ているので有名ですね。

あのジブリの名作「千と千尋の神隠し」でも最後にハクが「トンネルを出るまで振り返ってはいけないよ」と千尋に忠告しています。

おそらくこれも見るなのタブーのことだろうと思われます。

この禁忌を犯してしまうと現世には戻れないと言われています。

しかし、ネタバレしてしまうと、彼女は帰ってきています。

禁忌を犯してしまったのに帰ってこれたことにはやはり理由があるのでしょう。

その一つが片足だけの老人の正体ではないか、と考えられます。

そも、片足だけの老人がなにを表すのか。

自分の調べでは、片足の神様というのは霊威が非常に高く、まんま「片足神」と呼ばれています。

ほんとそのままですね。

他の考察の方が言うところには道祖神説が有力なようです。

道祖神って片足なんですね。

今回調べて初めて知りました。

総括すると、振り返ってしまったがその厄を帳消しにするほど霊威が高い神だった、または道の神である道祖神による導きを得たと考えられます。

どちらでもありそうですね。


ここで余談ですが、異世界のタブーとして有名なものに黄泉竈食ひ(よもつへぐひ)というものがあります。

こちらも有名ですよね。

異世界、あの世のものを口にしてはいけないというものです。

元来その場所のものを食べるというのは嫁入り婿入り恭順を意味し、そこの住人になるという意味を持つのです。

黄泉竈食ひも千と千尋の神隠しに出てきます。冒頭の両親が豚というあちらの住人になってしまう描写ですね。

割とあれトラウマ植え付けられるので苦手です笑

名前を忘れてはいけない、というのもありますね。

名前というのはかなり強い力を持つとされています。

名前を忘れると存在が薄れるっていう考えるのも怖い話です。

これも千と千尋の神隠しで湯婆婆が使っていました。さりげなく帰れないようにするのとかちょっとセコイですね。

逆に悪意の存在に名前を知られるなってのもあるんですが、今時、懇切丁寧に自己紹介から入る会話なんてないでしょうから大丈夫でしょう。

ただそういう悪意の存在は親しい人、例えば両親、恋人、恩師の姿を真似てくるかもしれません。あちらに行ってしまったら2人だけしか知らないことなんかを先に確認することが重要かもしれません。

後一つ。

あちらのものを持ち帰ってはいけない。

これは穢れであったり厄災を持ち帰ってしまうからというのが理由でしょうね。

河原の石を持って帰ってはいけないというのもおそらくこれです。

心霊スポットのものを持ち帰った人が事故に遭う、なんてのも割とホラーとしてよくある展開。

異世界に行ってしまったら、振り返らない、食べない、忘れない、持ち帰らないように気をつけましょう。


さて、はすみさんは老人の正体がわからず怖がりながらもトンネルに辿り着きます。

トンネルの名前は「伊佐貫」。

伊佐貫は全くわかりませんでした。

どうやら伊佐貫はイザナギではないか、というのが有力な模様。

ここ、自分は完全にお手上げです。予想もできません。

ただ、トンネル=細く暗い道とするとその道がイザナギという名前でもおかしくないのかなぁ、と思います。

トンネルを抜けたところで、親切な方が近くの駅まで送ってくれるとのこと。ビジネスホテルもあると。

その親切な方、が言うにはそこは比奈だそうです。

そしてはすみさんの乗った路線的に行けない場所らしい。

はすみさんはその親切な方の車に乗り込みますが、車はどんどん山の中は入っていく。

次第に彼は話をしなくなりぶつぶつと訳のわからない独り言を呟き始める。

とここで、はすみさんの携帯の充電が切れてしまい連絡は途絶。

消息不明となってしまいました。

最後の場面で重要なのは、親切な方が言うにはそこは比奈であり、山へ連れていかれたということ。

まずは比奈という場所に関して。

これはあまり他の考察系の方は重要視していないように感じられました。

曰く、相手は連れ去ることが目的であるから嘘をつくだろうと仮定した場合、比奈という地名で考察しても意味がない。

たしかに。

では、自分なりの考察です。

比奈という場所で有名なものに「比奈かぐや姫」というものがあります。

比奈かぐや姫は通常のかぐや姫と大筋は変わらないのですが、かぐや姫の正体が富士山の仙女であり、最後は結婚したのちに正体を明かし山へ帰っていくことになっているという違いがあります。

これはこれで興味深いのですが、重要なのは異世界から来て異世界へ帰るかぐや姫の伝承がある地、比奈であることです。

これは予想ですが、この親切な方というのは元の場所へ戻す役割を持っているのではないかと思われます。恐らく、彼岸生まれの何かを彼岸へ戻す役割。

まぁ、これは完全な想像なのですが。

次に山へ向かっていく車。

これは煉獄ではないかと自分は考えました。

ダンテの神曲において煉獄とは、特に悪くもなく特に良くもない者が天国へ行くために厄を払う場所とされています。f:id:Myon_326:20190503051147j:plain

また、煉獄は煉獄山という形をとり、登るほどに浄化され天国に近付くとされます。

地獄ではないにしても。登りきっていたらと思うとゾッとしますね。

他の考察系の方は闇、黄泉の語源が山であるとする説を押している人が多いように感じました。

つまり戻されるところだったってことですね。怖いわ。


きさらぎ駅は恐らく此岸と彼岸の境でしょう。2つの違うものを並べるとどうしてもできてしまう境目。そこに迷い込んでしまった。

加えて、境目というのはそれだけで忌むべきものです。逢魔時は人ならざるものが此岸にやってくるからと多くのことを禁止されています。名前を呼んではいけないもその1つです。礼儀作法で部屋と部屋のへりを踏むな、なんてのもありますね。

きさらぎ駅を従来の臨死体験に当てはめると三途の川を泳いでいる感じでしょうか。

ということで、前半終わりです。

内容はあんまり濃くない気がしますが、これが考察系なら憧れる素人の限界です。

次回は7年後、帰ってきたはすみさんが語ったその後のエピソードと有力説との噛み合わせをしていきたいと思っています。

ではまた!